産業廃棄物の処理·公開 2026年10月24日·FUKULO(合同会社商陣)

産業廃棄物の種類とは|法令の20種類の一覧と、建設・解体の現場で出る物の当てはめ方

産業廃棄物の種類は、廃棄物処理法 第2条第4項と施行令 第2条で決まっていて、一般に20種類と呼ばれます。種類は、委託契約書やマニフェストに書く名前そのものなので、現場の呼び名と法令の呼び名をつなげておくことが大事です。この記事では、20種類の一覧と、建設・解体の現場で出る物の当てはめ方を説明します。

建設廃棄物の分別表(品目と産業廃棄物の種類)の無料Excelつきこの記事の書き方のまま使えます。登録不要。
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目次
  1. 産業廃棄物の種類とは|法律と政令で決まっている
  2. 産業廃棄物の種類の一覧|20種類
  3. 産業廃棄物の種類で業種が限られるもの|建設業の紙くず・木くず・繊維くず
  4. 産業廃棄物の種類で間違えやすいもの|がれき類とコンクリートくず
  5. 産業廃棄物の種類に解体の現場の物を当てはめる
  6. 産業廃棄物の種類と石綿含有産業廃棄物
  7. 産業廃棄物の種類の分け方を無料テンプレートでまとめるには
  8. 産業廃棄物の種類のよくある質問
  9. 産業廃棄物の種類のまとめ

解体の現場では「コンがら」「木くず」「ボード」「廃プラ」「混廃」など、現場の呼び名で廃棄物を分けています。ところが、委託契約書やマニフェストには、法令の産業廃棄物の種類の名前で書かなければなりません。現場の呼び名と法令の名前がずれていると、契約にない種類を運んでしまったり、マニフェストの種類が違っていたりします。

この記事では、株式会社サンプル解体(工事部 山田 太郎)が、木造2階建て住宅の解体で出る物を分ける場面を例にします。社名・数量・換算係数はすべて架空です。決まりは、e-Gov 法令検索で確かめた廃棄物処理法(廃棄物の処理及び清掃に関する法律)、同法施行令、建設リサイクル法施行令の条文だけを書いています。

産業廃棄物の種類とは|法律と政令で決まっている

産業廃棄物の種類は、廃棄物処理法 第2条第4項で決まっています。条文では、産業廃棄物は、事業活動に伴って生じた廃棄物のうち、燃え殻、汚泥、廃油、廃酸、廃アルカリ、廃プラスチック類その他政令で定める廃棄物(第1号)と、輸入された廃棄物など(第2号)とされています。政令で定める廃棄物は、施行令 第2条で並べられています。

産業廃棄物の種類を数えると、法律の6種類と、施行令 第2条の13の号で、一般に20種類と呼ばれます。ポイントはここです。産業廃棄物の種類は、法令に書かれた名前で決まっていて、「混合廃棄物」や「建設廃材」といった名前の種類はありません。混ざった物は、含まれている種類ごとに扱います。

また、事業活動に伴って生じた廃棄物でも、20種類に当たらない物は一般廃棄物(事業系一般廃棄物)になります。種類の当てはめは、産業廃棄物かどうかの判断にもつながります。

産業廃棄物の種類の一覧|20種類

産業廃棄物の種類を、法律と施行令の順に一覧にします。業種が限られるものには、その限り方を書いています。

No.種類決まっている所業種などの限り
1燃え殻法 第2条第4項第1号―
2汚泥法 第2条第4項第1号―
3廃油法 第2条第4項第1号―
4廃酸法 第2条第4項第1号―
5廃アルカリ法 第2条第4項第1号―
6廃プラスチック類法 第2条第4項第1号―
7紙くず施行令 第2条第1号建設業に係るもの(工作物の新築・改築・除去に伴うもの)、パルプ・紙の製造業など
8木くず施行令 第2条第2号建設業に係るもの(工作物の新築・改築・除去に伴うもの)、木材・木製品の製造業、パレットなど
9繊維くず施行令 第2条第3号建設業に係るもの(工作物の新築・改築・除去に伴うもの)、繊維工業など
10動植物性残さ施行令 第2条第4号食料品・医薬品・香料の製造業
11動物系固形不要物施行令 第2条第4号の2と畜場・食鳥処理場
12ゴムくず施行令 第2条第5号―
13金属くず施行令 第2条第6号―
14ガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くず施行令 第2条第7号コンクリートくずは工作物の新築・改築・除去に伴うものを除く
15鉱さい施行令 第2条第8号―
16がれき類施行令 第2条第9号工作物の新築・改築・除去に伴って生じたコンクリートの破片など
17動物のふん尿施行令 第2条第10号畜産農業
18動物の死体施行令 第2条第11号畜産農業
19ばいじん施行令 第2条第12号ばい煙発生施設などの集じん施設で集められたもの
20処分するために処理したもの施行令 第2条第13号上の廃棄物を処分するために処理したもので、上のどれにも当たらないもの

このうち、建設・解体の現場でよく出るのは、がれき類、木くず、ガラスくず・コンクリートくず及び陶磁器くず、金属くず、廃プラスチック類、紙くず、繊維くず、汚泥、廃油です。

産業廃棄物の種類で業種が限られるもの|建設業の紙くず・木くず・繊維くず

産業廃棄物の種類のうち、紙くず・木くず・繊維くずは、業種が限られています。施行令 第2条第1号から第3号で、建設業に係るものは「工作物の新築、改築又は除去に伴って生じたものに限る」とされています。

つまり、建設工事の現場で、建物の新築・改築・解体に伴って出た紙くず・木くず・繊維くずは産業廃棄物です。一方で、同じ建設会社でも、事務所で出た紙ごみは、工作物の新築・改築・除去に伴うものではないので、この限りに当たりません。

出た物出た場所・場面扱い
柱や梁の木材建物の解体木くず(建設業に係るもの)=産業廃棄物
内装の段ボールや紙の包装新築工事の現場紙くず(建設業に係るもの)=産業廃棄物
カーペット改修工事で撤去繊維くず(建設業に係るもの)=産業廃棄物
書類やコピー用紙本社の事務所工作物の工事に伴うものではないので、この限りに当たらない

委託契約書やマニフェストには「木くず」と書けばよいのですが、社内の分別表では「木くず(建設業に係るもの)」と限りまで書いておくと、なぜ産業廃棄物なのかを説明しやすくなります。

産業廃棄物の種類で間違えやすいもの|がれき類とコンクリートくず

産業廃棄物の種類で、建設の現場がいちばん間違えやすいのが、がれき類とコンクリートくずの違いです。

施行令 第2条第9号の「がれき類」は、工作物の新築、改築または除去に伴って生じたコンクリートの破片その他これに類する不要物です。一方、第7号の「コンクリートくず」は、工作物の新築、改築または除去に伴って生じたものを除くとされています。

物種類理由
解体した基礎のコンクリートがれき類工作物の除去に伴って生じたコンクリートの破片
舗装を撤去したアスファルトのがらがれき類工作物の除去に伴って生じた破片
製品工場で出たコンクリート製品の不良品コンクリートくず工作物の新築・改築・除去に伴うものではない

解体の現場で出るコンクリートやアスファルトのがらは、ほとんどががれき類になります。マニフェストに「コンクリートくず」と書いてしまうと種類の取り違えになるので、建設の現場では「がれき類」が基本と覚えておくと迷いません。

建設リサイクル法の特定建設資材廃棄物(コンクリート塊・アスファルト・コンクリート塊・建設発生木材)との関係も整理しておきます。コンクリート塊とアスファルト・コンクリート塊は廃棄物処理法ではがれき類、建設発生木材は木くずに当たります。建設リサイクル法の届出書の別表では特定建設資材廃棄物の名前で、委託契約書とマニフェストでは廃棄物処理法の種類の名前で書きます。

産業廃棄物の種類に解体の現場の物を当てはめる

産業廃棄物の種類に、解体の現場で出る物を当てはめた表です。株式会社サンプル解体の分別表の例で、量の見込みは架空、換算係数は例の値です。

現場で出る物産業廃棄物の種類特定建設資材廃棄物量(例)重量(例)
基礎・土間のコンクリートがらがれき類コンクリート塊24㎥55.2t
駐車場のアスファルトがらがれき類アスファルト・コンクリート塊2㎥4.7t
柱・梁・床組の木材木くず建設発生木材30㎥16.5t
内装の合板・造作材木くず建設発生木材8㎥4.4t
石膏ボードガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くず―6㎥5.4t
瓦・タイル・衛生陶器ガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くず―4㎥4.0t
鉄骨・鉄筋・サッシ・配管金属くず―3㎥3.4t
ビニルクロス・塩ビ管廃プラスチック類―10㎥3.0t
段ボール・紙の包装紙くず―5㎥1.5t
カーペット・布繊維くず―2㎥0.6t

石膏ボードは、一般に「ガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くず」として扱われています。水に濡れると処理しにくくなるので、現場では雨のかからない所に分けて置きます。また、建設リサイクル法施行規則 第2条第4項で、内装材に木材が含まれるときは、木材と一体の石膏ボードを先に取り外すことになっているので、木くずと混ざらないように分別の順番を決めておきます。

現場の分別の掲示の例

産業廃棄物の種類に当てはめた結果は、現場の分別の箱に貼る掲示にしておくと、作業員が迷わずに分けられます。箱の名前の横に法令の種類を小さく添えておくと、マニフェストを書く事務の担当とも言葉がそろいます。

コンクリートがら(がれき類):基礎・土間・ブロック。鉄筋は外して金属の箱へ
アスファルトがら(がれき類):駐車場の舗装。コンクリートがらと混ぜない
木くず(木くず):柱・梁・床板・合板。石膏ボードを外してから入れる
石膏ボード(ガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くず):濡らさない。屋根の下に置く
瓦・タイル・ガラス(ガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くず):割れたガラスは袋に入れる
金属(金属くず):鉄骨・鉄筋・サッシ・配管
廃プラ(廃プラスチック類):ビニルクロス・塩ビ管・樹脂の断熱材
石綿を含む建材:ここには入れない。指定の場所に、ほかと混ぜずに置く
現場の分別の掲示の例(解体の現場)

掲示は、分別の箱を置いた日から工事が終わるまで貼っておきます。作業員が入れ替わる現場では、新しく入った人に朝礼で一度読み上げておくと、混ざって出ることが減ります。分別がきちんとできていれば、委託契約書の種類どおりに搬出でき、マニフェストの種類も迷わずに書けます。

金属くずのうち、有価で売れるものは廃棄物ではなく売却の扱いになることがあります。売却か委託かで書類が変わるので、どちらで扱うかを現場と事務所で決めておきます。

産業廃棄物の種類と石綿含有産業廃棄物

産業廃棄物の種類を当てはめるとき、石綿を含む建材は別に考えます。屋根の化粧スレートのような石綿を含む成形板は、材料としては「ガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くず」などに当たりますが、あわせて石綿含有産業廃棄物であることを示す必要があります。

書類書くこと根拠
委託契約書委託する産業廃棄物に石綿含有産業廃棄物が含まれる旨施行規則 第8条の4の2第6号ホ
マニフェスト種類の欄に石綿含有産業廃棄物が含まれる旨と、その数量施行規則 第8条の20第3号・様式の記載上の注意
交付等状況報告書種類の欄にその旨を書き、石綿含有産業廃棄物に係るものを明らかにする様式第三号の注意

石綿を含む建材は、事前調査で見つけたら、ほかの物と混ざらないように分けて保管し、処理先も事前調査の結果を伝えてから決めます。

産業廃棄物の種類の分け方を無料テンプレートでまとめるには

建設廃棄物の分別一覧表は、解体や改修の現場で出る物を、法令の産業廃棄物の種類に当てはめた無料のExcelです。記入用のシートに品目と種類の当てはめが入っていて、量(㎥)を入れると換算係数(例の値)で重量が出ます。下の表で種類ごとの合計と、特定建設資材廃棄物の合計を確かめられます。

建設廃棄物の分別表(品目と産業廃棄物の種類)(無料Excel)記入用・記入例・説明の3シート
建設廃棄物の分別表(現場で出る物と産業廃棄物の種類)
工事の名称サンプル花子邸 解体工事作成者山田 太郎
「産業廃棄物の種類」は廃棄物処理法 第2条第4項と施行令 第2条の呼び名です。換算係数は例の値なので、処理業者の値や環境省の換算係数の表に直してください。量(㎥)を入れると重量が出ます。
No.現場で出る物(例)産業廃棄物の種類特定建設資材廃棄物現場の分別の区分量(㎥)換算係数(t/㎥・例)重量(t)出る工程注意
1基礎・土間のコンクリートがらがれき類○(コンクリート塊)コンクリートがら242.355.2④基礎鉄筋は外して金属くずへ
2駐車場のアスファルトがらがれき類○(アスファルト・コンクリート塊)アスファルトがら22.354.7⑤その他コンクリートがらと混ぜない
3柱・梁・床組の木材木くず(建設業に係るもの)○(建設発生木材)木くず300.5516.5③上部構造
4内装の合板・造作材木くず(建設業に係るもの)○(建設発生木材)木くず80.554.4①内装材石膏ボードを先に外す
5石膏ボードガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くず-石膏ボード60.95.4①内装材濡らさない
6瓦・タイル・衛生陶器ガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くず-瓦・陶器414②屋根ふき材・①
7窓ガラスガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くず-ガラス0.510.5①
8鉄骨・鉄筋・サッシ・配管金属くず-金属31.133.4①③④有価で売れる物は別に扱う
9ビニルクロス・塩ビ管・樹脂の断熱材廃プラスチック類-廃プラ100.33①
10段ボール・紙の包装紙くず(建設業に係るもの)-紙くず50.31.5①
11カーペット・布繊維くず(建設業に係るもの)-繊維くず20.30.6①
12屋根の化粧スレート(石綿含有)ガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くず(石綿含有産業廃棄物)-石綿含有(別に保管)1.511.5②屋根ふき材契約書と管理票に「含まれる旨」を書く
13
14
(空欄があと2行つづきます)
種類ごとの重量の合計(委託契約書の数量・管理票の種類の確認に使う)
産業廃棄物の種類重量(t)委託先
がれき類59.9
木くず(建設業に係るもの)20.9

(この下に7行あります。全体はダウンロードしたExcelで見られます)

実際の画面:建設廃棄物の分別表(品目と産業廃棄物の種類)の「記入例」シート(ダウンロードできるExcelをそのまま表示)

種類ごとの合計は、委託契約書の「種類と数量」や、マニフェストの種類を確かめるときに使えます。委託契約書の条項は産業廃棄物の委託契約書の記事で説明しています。特定建設資材廃棄物の合計は、届出書の別表1の量の見込みと比べられます。書き方は分別解体等の計画等の記事を見てください。換算係数は、処理業者の値や環境省が示している表などに直して使ってください。

産業廃棄物の種類のよくある質問

産業廃棄物の種類は、なぜ20種類と言われるのですか?

廃棄物処理法 第2条第4項の6種類(燃え殻・汚泥・廃油・廃酸・廃アルカリ・廃プラスチック類)と、施行令 第2条の13の号を合わせると20になるためです。

混合廃棄物は、産業廃棄物の種類の1つですか?

法令の種類としては、混合廃棄物という種類はありません。複数の種類が混ざった物は、含まれている種類ごとに委託契約書やマニフェストに書きます。混ざると処理しにくくなるので、現場で分けることが基本です。

解体で出た木くずは、必ず産業廃棄物ですか?

施行令 第2条第2号で、建設業に係るもので工作物の新築・改築・除去に伴って生じた木くずは産業廃棄物です。建物の解体で出た木材はこれに当たります。

コンクリートがらは、コンクリートくずですか、がれき類ですか?

工作物の新築・改築・除去に伴って生じたコンクリートの破片は、施行令 第2条第9号のがれき類です。第7号のコンクリートくずからは、工作物の新築・改築・除去に伴って生じたものが除かれています。

産業廃棄物の種類のまとめ

産業廃棄物の種類は、廃棄物処理法と施行令で決まっていて、委託契約書やマニフェストにはその名前で書きます。

  • 法律の6種類と施行令の13の号で、一般に20種類
  • 紙くず・木くず・繊維くずは、建設業では工作物の新築・改築・除去に伴うものに限る
  • 解体のコンクリートやアスファルトのがらは、がれき類
  • 石膏ボードは、一般にガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くずとして扱う
  • 石綿を含む建材は、契約書とマニフェストに含まれる旨を書く

まずは現場の分別の箱の名前を、テンプレートの「現場の分別の区分」に書き出してみてください。法令の種類と並べると、契約書とマニフェストの書き方がそろいます。

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