分別解体等の計画等の書き方|別表1(建築物の解体)の欄ごとの記入例と、工程の順序・手作業・量の見込みの計算
分別解体等の計画等は、建設リサイクル法の届出書に添える別表で、建物をどう調べ、どの順番で、どの方法で壊し、どれだけの廃棄物が出るかを書くものです。欄の中身は施行規則 第2条の決まりに沿っていて、工程の順序や手作業の工程を間違えると書き直しになります。この記事では、別表1の欄ごとの書き方と量の見込みの計算を説明します。
目次
建設リサイクル法の届出書の中で、いちばん書くことが多いのが「分別解体等の計画等」の別表です。届出書の本紙は名前や日付が中心ですが、別表には建物の調査の結果、着工前の段取り、壊す順番と方法、廃棄物の量の見込みまで書きます。現場を知っている施工会社が書くことになるので、元請業者の担当者が別表を作り、発注者の届出書に添える形が一般的です。
この記事では、株式会社サンプル解体(工事部 山田 太郎)が、築48年の木造2階建て住宅(工事対象床面積 120.5㎡)を解体する例で、別表1を埋めていきます。社名・数字・換算係数はすべて架空です。決まりは、e-Gov 法令検索で確かめた建設リサイクル法施行規則(建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律施行規則)第2条と、特定建設資材に係る分別解体等に関する省令の様式第一号の別表の欄だけを書いています。
分別解体等の計画等とは|届出書に添える3種類の別表
分別解体等の計画等は、建設リサイクル法 第10条第1項第4号の「分別解体等の計画」を、届出書の様式で書く欄です。様式第一号の「4.分別解体等の計画等」に、工事の種類ごとに使う別表が決まっています。
| 別表 | 使う工事 | 主な欄 |
|---|---|---|
| 別表1 | 建築物に係る解体工事 | 構造、調査の結果と措置、工程①〜⑤と分別解体等の方法、工程の順序、量の見込み |
| 別表2 | 建築物に係る新築工事等(新築・増築・修繕・模様替) | 使う特定建設資材、調査の結果と措置、工程①〜⑥の作業内容、量の見込み |
| 別表3 | 建築物以外のものに係る解体工事又は新築工事等(土木工事等) | 工作物の構造、工事の種類、調査の結果と措置、工程と方法、量の見込み |
分別解体等の計画等のうち、解体工事でいちばん使うのが別表1です。この記事では別表1を扱います。別表2・別表3も欄の考え方は似ていますが、工程の区分が違うので、使う別表を間違えないようにします。
分別解体等の計画等の中身は、施行規則 第2条第2項で決まっています。調査の結果、着手前の措置の内容、工程の順序と工程ごとの作業内容・分別解体等の方法、特定建設資材廃棄物の種類ごとの量の見込みと発生する部分などです。別表の欄は、この項目を書く場所としてできています。
分別解体等の計画等を作る流れ
分別解体等の計画等は、いきなり様式に書き始めるより、施行規則 第2条第1項の順番どおりに進めると、欄が自然に埋まります。
- 建物と周りを調べる建物の状況、周辺、作業場所、搬出経路、残存物品、付着物(吹付け石綿など)を調べる
- 計画を作る調査の結果にもとづいて、工程の順序・方法・量の見込みを別表に書く
- 着手前の措置をする作業場所と搬出経路を確保し、残存物品の搬出を確かめ、付着物を取り除く
- 計画に従って施工する書いた順序と方法で分別解体を進める
ポイントはここです。分別解体等の計画等の「工事着手前に実施する措置の内容」の欄は、調査の結果に対して何をするかを書く欄です。調査の結果が「有」や「不十分」なのに措置の欄が空いていると、計画として読めません。調査の結果と措置は、必ず左右で対になるように書きます。
分別解体等の計画等の書き方①建築物の構造と調査の結果
分別解体等の計画等の別表1は、最初に建物の構造と状況、周辺の状況を書きます。
| 欄 | 書くこと | 記入例 |
|---|---|---|
| 建築物の構造 | 木造・鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造・鉄骨造・コンクリートブロック造・その他から選ぶ | 木造 |
| 建築物の状況 | 築年数、棟数、その他 | 築年数48年、棟数1棟(ほかに木造の物置1) |
| 周辺状況 | 周辺にある施設(住宅・商業施設・学校・病院など)、敷地境界との最短距離 | 住宅・学校(約150m)、北側の隣家まで約0.8m |
周辺状況の「敷地境界との最短距離」は、重機が入れるか、手作業で壊す範囲がどこかを決める材料になります。隣家が近い面は、あとで書く工程の方法(手作業か併用か)や、養生の措置ともつながるので、現地で実際に測っておくと計画に説得力が出ます。築年数は、登記や固定資産の書類、発注者への聞き取りで確かめます。築年数は石綿の事前調査の進め方にもかかわるので、別表と事前調査の記録で同じ数字にしておきます。
分別解体等の計画等の書き方②調査の結果と着手前の措置
分別解体等の計画等の別表1の中心は、調査の結果と、工事着手前に実施する措置の内容の表です。施行規則 第2条第1項第1号の調査の項目に合わせて、次の欄が並んでいます。
| 欄 | 調査の結果の記入例 | 着手前の措置の記入例 |
|---|---|---|
| 作業場所 | 不十分(北側は0.8mで重機が入らない) | 北側は手作業で取り壊す。養生シートを二重に張る |
| 搬出経路 | 障害物:電柱1本/前面道路の幅員 約4.0m/通学路:有 | 登下校の時間は搬出しない。誘導員を置く |
| 残存物品 | 有(家具・家電・衣類) | 着工前に発注者が搬出する。家電は家電リサイクルの手続きで引き渡す |
| 特定建設資材への付着物 | 無 | ― |
| 石綿(大気汚染防止法・石綿則) | 有(屋根の化粧スレート)。特定建設資材への付着:無 | 屋根ふき材の取り外しの前に、石綿含有成形板等として除去する |
| フロン(フロン排出抑制法) | 無(業務用のエアコン・冷凍冷蔵機器なし) | ― |
| その他 | 浄化槽:有(使用停止済み) | 清掃・消毒のあとに撤去する |
残存物品は、施行規則 第2条第1項第1号で「解体する建築物の敷地内に存する物品で、当該建築物に用いられた建設資材に係る建設資材廃棄物以外のもの」とされています。家具や家電、衣類などがこれに当たり、建物の廃棄物とは別に扱います。だれがいつ運び出すかを措置の欄に書いておくと、着工の日に家財が残っている、という事態を防げます。
石綿の欄は、事前調査の結果を写す欄です。特定建設資材(コンクリートや木材など)に石綿が付着しているかどうかも書きます。石綿の事前調査と掲示の決まりは、別の法律(大気汚染防止法・石綿障害予防規則)にあるので、調査の結果と届出書の別表の内容を食い違わせないようにします。
分別解体等の計画等の書き方③工程の順序と分別解体等の方法
分別解体等の計画等の別表1の後半は、工程ごとの作業内容と分別解体等の方法です。施行規則 第2条第3項で、建築物の解体の工程は次の順序に従うと決まっています。
| 順番 | 工程(別表1の区分) | 方法の決まり |
|---|---|---|
| ① | 建築設備・内装材等の取り外し | 手作業(構造上などでよりがたいときは併用) |
| ② | 屋根ふき材の取り外し | 手作業(構造上などでよりがたいときは併用) |
| ③ | 外装材・上部構造部分の取り壊し | 手作業、または手作業・機械作業の併用 |
| ④ | 基礎・基礎ぐいの取り壊し | 手作業、または手作業・機械作業の併用 |
施行規則 第2条第6項で、解体工事の工程の方法は「手作業」か「手作業及び機械による作業」のどちらかと決まっています。同条第7項で、①と②の工程は手作業によることが原則で、建物の構造上などでこれによりがたい場合に限って、手作業と機械作業の併用にできます。別表1でも、①と②で併用を選んだときは「併用の場合の理由」の欄を書くようになっています。
もう1つ大事なのが、内装材に木材が含まれる場合の決まりです。施行規則 第2条第4項で、①の工程で内装材に木材が含まれるときは、木材と一体になった石膏ボードなど、木材の分別の支障になる建設資材を先に取り外してから木材を取り外すことになっています。別表1にも「内装材に木材が含まれる場合」の欄があり、事前の取り外しが可か不可か、不可ならその理由を書きます。
| 工程の記入例 | 作業の有無 | 方法 | 併用の理由 |
|---|---|---|---|
| ①建築設備・内装材等 | 有 | 手作業 | ― |
| ②屋根ふき材 | 有 | 手作業 | ― |
| ③外装材・上部構造部分 | 有 | 手作業・機械作業の併用 | 建物の高さと構造上、手作業だけでは安全に取り壊せないため |
| ④基礎・基礎ぐい | 有 | 手作業・機械作業の併用 | ― |
| ⑤その他(物置・浄化槽) | 有 | 手作業・機械作業の併用 | ― |
工程の順序の欄は、①→②→③→④の順なら「上の工程における①→②→③→④の順序」に「レ」を付けます。構造上の理由などで順番を変えるときは「その他」を選んで理由を書きます。
分別解体等の計画等の書き方④廃棄物の発生見込量の計算
分別解体等の計画等の最後は、建築物に用いられた建設資材の量の見込みと、特定建設資材廃棄物の種類ごとの量の見込みです。施行規則 第2条第2項第6号で、特定建設資材廃棄物の種類ごとの量の見込みと、その発生が見込まれる建物の部分を書くことになっています。別表1では、コンクリート塊・アスファルト・コンクリート塊・建設発生木材の3種類について、量(トン)と発生する工程(①〜⑤)を書きます。
量の見込みは、部位ごとの数量に換算係数を掛けて出すと、根拠を説明しやすくなります。次の表の換算係数は例の値です。実際には、自社の実績、処理業者の値、自治体の手引きの値などを使ってください。
| 部位 | 種類 | 数量 | 換算係数(例) | 量の見込み | 発生する工程 |
|---|---|---|---|---|---|
| 基礎 | コンクリート塊 | 18㎥ | 2.3t/㎥ | 41.4t | ④ |
| 土間・犬走り | コンクリート塊 | 6㎥ | 2.3t/㎥ | 13.8t | ④⑤ |
| 柱・梁・床組・小屋組 | 建設発生木材 | 30㎥ | 0.55t/㎥ | 16.5t | ③ |
| 内装の造作材・床板 | 建設発生木材 | 8㎥ | 0.55t/㎥ | 4.4t | ① |
| 駐車場の舗装 | アスファルト・コンクリート塊 | 2㎥ | 2.35t/㎥ | 4.7t | ⑤ |
この例を種類ごとに合計すると、コンクリート塊は55.2t、建設発生木材は20.9t、アスファルト・コンクリート塊は4.7tで、3種類の合計は80.8tです。建物全体の建設資材の量の見込みを95tとした場合、特定建設資材廃棄物の合計がその中に収まっているので、数字のつじつまが合っています。逆に、3種類の合計が全体の見込みを超えていたら、どちらかの拾い方が間違っている合図です。
分別解体等の計画等でよくある書き漏れ
分別解体等の計画等の別表1で、書き漏れが起きやすい欄を並べます。どれも様式に欄があるのに空いている、というものなので、出す前に上から順に見直すと防げます。
| 欄 | よくある書き漏れ | 直し方 |
|---|---|---|
| 調査の結果と措置 | 結果が「有」「不十分」なのに措置が空欄 | 結果1つに対して、着工前に何をするかを1つ書く |
| 搬出経路 | 前面道路の幅員や通学路の有無が抜ける | 現地で道路の幅を測り、通学路は学校や自治体の案内で確かめる |
| 工程①② | 併用を選んだのに理由がない | 構造上などの理由を具体的に書く |
| 内装材に木材 | 事前の取り外しの可・不可が抜ける | 石膏ボードを先に外せるかを書く。不可なら理由 |
| 量の見込み | 3種類の量だけで、発生する工程(①〜⑤)に「レ」がない | 種類ごとに、どの工程で出るかを選ぶ |
| 備考 | ほかの法令の手続きとの関係が書かれていない | 石綿の除去を先に行う予定などを書いておく |
量の見込みは、工事が終わったあとの再資源化等の報告や、マニフェストの数量とも比べることになります。見込みと実績が大きく違うと、窓口や発注者から理由を聞かれることもあるので、計算の根拠を残しておくと説明がしやすくなります。
分別解体等の計画等を無料テンプレートで速くするには
分別解体等の計画等の無料テンプレートは、別表1の欄の順に書ける下書きのExcelです。調査の結果と着手前の措置を左右の列で並べて書け、工程①〜⑤の作業の有無と方法、併用の理由を1行ずつ埋められます。量の見込みの計算欄に部位ごとの数量と換算係数を入れると、種類ごとの合計が出て、全体の見込みと突き合わせた結果が表示されます。
| 分別解体等の計画等(別表1 建築物に係る解体工事)の下書き | |||||||
| 届出書(様式第一号)の別表1の欄の順です。提出は各窓口の最新の様式で。 | |||||||
| 建築物の構造 | 木造 | ||||||
| 建築物の状況 | 築年数 48年、棟数 1棟(ほかに木造の物置1) | ||||||
| 周辺状況 | 周辺にある施設:住宅・学校(約150m)/敷地境界との最短距離:約0.8m(北側の隣家) | ||||||
| 建築物に関する調査の結果と、工事着手前に実施する措置の内容 | |||||||
| 項目 | 調査の結果 | 着手前に実施する措置 | |||||
| 作業場所 | 不十分(北側は0.8mで重機が入らない) | 北側は手作業で取り壊す。養生シートを二重に張る | |||||
| 搬出経路 | 障害物:電柱1本/前面道路の幅員 約4.0m/通学路:有 | 登下校の時間(7:30〜8:30・14:30〜16:00)は搬出しない。誘導員を置く | |||||
| 残存物品 | 有(家具・家電・衣類) | 着工前に発注者が搬出する。家電は家電リサイクルの手続きで引き渡す | |||||
| 特定建設資材への付着物 | 無 | ||||||
| 石綿(大気汚染防止法・石綿則) | 有(屋根の化粧スレート)。特定建設資材への付着:無 | 屋根ふき材の取り外しの前に、石綿含有成形板等として除去する | |||||
| フロン(フロン排出抑制法) | 無(業務用のエアコン・冷凍冷蔵機器なし) | ||||||
| その他 | 浄化槽:有(使用停止済み) | 清掃・消毒のあとに撤去する | |||||
| 工程ごとの作業内容と分別解体等の方法 | |||||||
| 工程 | 作業の有無 | 分別解体等の方法 | 併用の場合の理由 | ||||
| ①建築設備・内装材等 | 有 | 手作業 | |||||
| ②屋根ふき材 | 有 | 手作業 | |||||
| ③外装材・上部構造部分 | 有 | 手作業・機械作業の併用 | 建物の高さと構造上、手作業だけでは安全に取り壊せないため | ||||
| ④基礎・基礎ぐい | 有 | 手作業・機械作業の併用 | |||||
| ⑤その他(物置・浄化槽) | 有 | 手作業・機械作業の併用 | |||||
| 工事の工程の順序 | ①→②→③→④の順序 | ||||||
(この下に18行あります。全体はダウンロードしたExcelで見られます)
できた別表は、届出書の本紙と一緒に発注者に渡します。届出書の欄の書き方は建設リサイクル法の届出書の記事で説明しています。現場で出る物を法令上の産業廃棄物の種類に当てはめる方法は、産業廃棄物の種類の記事で扱っています。提出は各窓口の最新の様式で行ってください。
分別解体等の計画等のよくある質問
分別解体等の計画等は、だれが書きますか?
届出をするのは発注者ですが、中身は建物を調べて工事を計画する施工会社の情報です。元請業者が別表を作り、発注者の届出書に添える形が一般的です。
屋根ふき材を重機で取り外してもよいですか?
施行規則 第2条第7項で、建築設備・内装材等と屋根ふき材の工程は手作業によることが原則です。建物の構造上などで手作業によりがたいときに限り、手作業と機械作業の併用にでき、別表に理由を書きます。
石膏ボードを先に外すのはなぜですか?
施行規則 第2条第4項で、内装材に木材が含まれるときは、木材と一体になった石膏ボードなど分別の支障になる資材を先に取り外してから木材を外すことになっています。木材をほかの資材と混ぜずに再資源化するための決まりです。
量の見込みは、どこまで正確に書けばよいですか?
届出の段階では見込みの数字です。部位ごとの数量と換算係数で計算した根拠を残しておくと、工事後の報告で実績と比べるときに説明しやすくなります。
分別解体等の計画等のまとめ
分別解体等の計画等は、建物の調査から量の見込みまでを、施行規則 第2条の順番で書く届出書の別表です。
- 建築物の解体は別表1、新築工事等は別表2、建築物以外は別表3
- 調査の結果と着手前の措置は、左右で必ず対にする
- 工程は建築設備・内装材等→屋根ふき材→外装材・上部構造→基礎の順。①②は原則手作業
- 内装材に木材が含まれるときは、石膏ボードなどを先に取り外す
- 量の見込みは部位ごとの数量×換算係数で出し、全体の見込みと突き合わせる
まずは次の現場の調査メモを、テンプレートの調査の結果の欄に写してみてください。措置の欄が空いているところが、着工前に決めておくべき段取りです。
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